採れたての生ウニ、国産は1%という貴重な絶品ラム肉、何十万匹というウトウが弾丸になって帰巣する光景…
魅力はハンパないのにメジャーじゃない。
北海道好きにこそ訪れてほしい日本海に浮かぶ楽園、天売島と焼尻島に行ったことはありますか?
こんにちは、北海道を愛してやまない島ラーの寅パパです。
北海道に移住して以来、北へ東へ南へ西へ北海道中を遊び回っていますが、7年間欠かすこと無く通っている島があります。
それは…焼尻島(年によっては天売島)です!
北海道の有人島は5つ(+北方領土)ありますが、全部言えるでしょうか?
利尻島、礼文島、奥尻島は有名ですが、残りの2つが天売島と焼尻島です。
寅家では「島旅はマイナーな島になるほど良い」を家訓に据えて、ことあるごとにマイナーな島を攻略していますが、その根幹となる天売島と焼尻島を紹介します。
沖縄本島より石垣島より黒島、小笠原なら父島より母島、タイならプーケット島よりピーピー島と、マイナーな島が絶対に良い説は真理です!!
↓とってもわかりやすい、天売焼尻の手書き地図もあります↓
焼尻島、天売島とは
北海道の北の日本海側、留萌市と稚内市の間に位置する羽幌町の沖合に位置する、どちらも人口約200人、周囲約12kmの島です。
アクセスは羽幌港からのフェリーのみで、夏は一日4~5便、冬は1便のみです。
主要産業は漁業ですが、天売島は海鳥の楽園、焼尻島は羊の島と言う特色もあります。
天売島と焼尻島の見どころ
天売島は海鳥の楽園として有名で、ウトウの集団帰巣、ケイマフリ、オロロン鳥などが見られます。
焼尻島は天敵=クマのいない環境で優雅に暮らしている羊が可愛いです。
天売島と焼尻島への行き方
島へは留萌市の北にある羽幌町のフェリーターミナルからフェリーで渡ります。
高速船なら焼尻島まで30分、天売島まででも1時間なので、あっという間に着きます。
フェリーターミナルには、島の情報がうまくまとめてあるので、出発前に確認すると便利です。
羽幌のフェリーターミナルの食堂でも島産のウニ丼や、羽幌名物の甘えび丼などが食べられます。
焼尻島、天売島共通の楽しみ
近くに位置する、同じような大きさの島だけあって、共通項がとても多い島です。
夏だけ食べられるウニ
北海道と言えばウニですよね!
実は私は北海道に来る前、さらには札幌に住んでいた時ですらウニを美味しいと思ったことはありませんでした。
初めて焼尻を旅した時もウニに大して興味は無かったのですが…採れたての生ウニを一口食べて衝撃が走りました!
都会で出回っているウニは形や色を保つためミョウバンにつけてあるのですが、その影響で明らかに味が落ちるのですよね…
沿岸部で食べる生ウニは当然ミョウバン不使用なので、ウニそのものの風味がして圧倒的に美味しいです。
北海道の日本海沿岸部で食べる旬の生ウニは格別です。
むきたてのウニは適度な塩味が効いているので、しょう油などかけずそのまま食べるのが一番美味しかったりします。
そして、島を歩いているとなんだかんだウニをもらったりします(^ ^)
島全体を使った謎解きゲーム~宝島〜
夏限定ですが、島全体を使った謎解きゲームが開催されます。
参加費は500円。所要約2時間です。
参加費を払った手前諦めるわけにはいかないのですが……なぞなぞの難易度がめちゃくちゃ高いです。
ざっくり言うと子供が解くのはまず無理。大人が一生懸命考えて解けるか解けないかギリギリのレベルです。
2022年に焼尻島で参加し解答を提出したときの観光案内所の方のコメントがその難しさを物語っています。
今年は正答率結構高いんですよ〜
…毎年解けずに諦める人がいるってわけね
いかにも自治体の補助金が入ってきるこのイベント、景品も羽幌町の宿泊施羽幌温泉サンセットプラザの宿泊券や甘えび、またフェリー乗車券など豪華です。
おそらく総参加者数は100人に達するか達しないかくらいなので、当選確率はかなり高いのではとたくらんでいます。
これまで、フェリー乗車券や甘えびの加工品が当たっています。
2022年は、お米とカレーを頂きました⤴⤴
問題は↓のように、極力文字がなくかなりやりがいのある難易度です。
天売島だけの楽しみ
天売に来たら昼も夜もバードウォッチング
海鳥の楽園と形容される天売島。
天売島と言えばバードウォッチングを欠かすことはできません。
↓天売の魅力をうまくまとめた動画がありました。
オロロン鳥は約100羽
国道232号線の別名「オロロンライン」に代表されるように、オロロン鳥がシンボルみたいになっているのですが…生息数は約100匹なので素人が見つけることはなかなか難しいです。
天売島を拠点に活動されている自然写真家の寺沢孝毅さんが運営するガイドツアーがあるのでそれに参加して、運が良ければ見られる…くらいの確率です。
オロロン鳥=ウミガラスとは
最新の環境省レッドリストで「絶滅危惧IA類(CR)※ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」に分類されているとても貴重な鳥なのですが、2002年の13羽から、2022年は104羽と回復傾向なので、なんとかこのペースで増えていってほしいものです。
海鳥観察舎で望遠鏡を使ってケイマフリ、ウミスズメ、ヒメウを観察
島の西側の断崖絶壁の上に小屋があり、無料の50倍望遠鏡が設置されています。
専門家でないと何の鳥かは区別がつかないとは思いますが、とにかくたくさんの鳥がいて、断崖絶壁のきれいな海岸線に舞う鳥を見るだけでテンションが上がります。
ウトウは夕方に一斉に帰巣する…その数約80万匹
ウトウの集団帰巣は夕暮れ時に一気におこります。
ヒナの餌を運ぶウトウ、ウミネコの攻防。
日中は海上で生活し、夕暮れに口いっぱい小魚をくわえ、ヒナの待つ巣穴めがけてすごい勢いで帰ってくるウトウ。この餌のおこぼれをねらうウミネコが巣穴周辺で待ちかまえます。ウトウはウミネコよりも遙かに小柄で体力ではとてもかないません。しかしウトウには、水平線の彼方からツバメのような早さで飛来し、正確に自分の巣穴めがけて飛び込めるというレーダーのような優れた能力があります。約40万つがいともいわれるウトウが、夕暮れから一気に帰巣する光景、巣穴付近でもたついたウトウとウミネコの餌攻防。野生の習性と優れた才能に圧倒される瞬間だ。
羽幌町観光協会
夕方に島の西側にある赤岩展望台に行けば見れるのですが、車両とウトウの接触事故防止のためにガイドツアーへの参加が推奨されています。
ウトウ帰巣ナイトガイドの料金は1,800円と手頃なので、迷わず参加しましょう。
何十万匹ものウトウが、まるでミサイルのごとく巣に飛び込む姿に圧倒されます。
簡単に釣れるカニ
天売島ではカニ釣りセットなるものがレンタルできます。
竿代わりの針金、バケツ、エサ(たこの切り身)がセットになって300円。
「針金なんかで釣れるの?」と思うのでしょうが…意外にもそこそこ釣れて、しかも以下の理由によりかなり楽しいのです。
- 水深10cmくらいなので、カニが餌を食べる様子を目で見ながら釣れる。
- カニはすぐエサを食べるけど、優しく上げないと逃げられる(キャッチできる確率は体感で20%くらい)からゾワゾワする。
3才くらいからできるお手軽アクティビティなのに、大人でも楽しめるので、是非試してください🎵
実は昼でも簡単に釣れるソイ
ソイはご存知でしょうか?
黒いゴツゴツした体が特徴の30cmくらいの魚で、淡白な味が特徴です。
釣りの対象魚としても人気が高く夜行性のため、北海道の港では夜に釣りをしている人がよくいます。
北海道本土では、がんばってようやく釣れる魚なのですが…島だとバカスカ釣れます。
もちろん夜に釣ると入れ喰い状態で釣れるのですが、真っ昼間でも、カニ釣りで使ったタコの切り身をハリにつけてテトラポットの隙間に落とすだけでめちゃくちゃ釣れるのですよね。
カニとは比べ物にならないほどの強い引きをぜひ楽しんでください。
フェリーターミナルすぐ近くのキャンプ場
無料のキャンプ場もフェリーターミナルがある集落内にあります。
眼の前に無料の展示施設「海の宇宙館」があるため、視界は遮られますが、トイレや炊事場などコンパクトにまとまっています。
焼尻島だけの楽しみ
「海鳥」という目的があるため、それなりに観光客が訪れる天売島に対して、焼尻島はさらに観光客が少ないので、目一杯のんびりしましょう。
とてものどかな羊の放牧
焼尻島の町営牧場の閉鎖について
町営牧場を管理されている方の退職に伴い、焼尻島の牧場が2023年8月で閉鎖されるようです。
島の方何人かに「来年はサフォークを食べられない?」と聞いたところ、「食べられるように努力はしているけど、どうにも…」みたいな回答でした。
焼尻島の羊ちゃんの今後に注目です。
焼尻島と言えば、ヤギ!ではなく…ヒツジが放牧されています。
この島の羊たちは、クマという天敵がいないため終始リラックスしながら育つため、日本一の羊肉とも言われています。
他ではなかなか見ることのできない海を背景にした羊を見ていると、心の底からリラックスできます。
日本一の羊肉を味わう
北海道の名物料理として有名なジンギスカンですが、国内で消費される羊肉の99%以上が外国産ということをご存じですか?
外国産のラム肉も美味しいのですが、北海道産の生ラム肉は新鮮で臭みも少ないので、ジンギスカンはちょっと…と言う方でもどんどん食べられます。
焼尻島では、天敵のいない環境でノンビリ育ったサフォーク種の絶品ラム肉を味わうことができます。
サフォーク種とは
頭部と四肢には羊毛がなく、黒色短毛で覆われている英国サフォーク州原産の、知る人ぞ知る高級品種です。
臭みがほとんどないのが特徴で、よく味わうために塩で食べるのが一般的です。
焼尻島でサフォークを食べるなら島っ子食堂
数年前は「焼尻島以外では銀座でしか食べられない」なんて言われていましたが、最近は羽幌町内のレストランでも食べられるようです。
…ただ一番確実にそして豪快に食べられる焼尻島の島っ子食堂は外せません
ブルーシートの下、七輪で炙りながら食べるサフォークバーベキュー(ご飯と野菜付き)は3,000円。
おばちゃんの話によると生でも食べられるほど新鮮なラム肉だそうです。
臭みは全くないけど、羊肉っぽさはそれなりに残っている、なんとも食べやすい絶品ジンギスカンです。
元気なおばちゃんが一人でやっているので、3組くらい来店すると渋滞を起こします。フェリー発着の合間など空きを見つけた時に食べると良いです。
ちなみに(ここまで来てカレーを食べる人はなかなかいませんが)貝やタコがゴロゴロ入っている海鮮カレー950円もめちゃくちゃ美味しいです。
羽幌町観光協会のHPに焼尻産サフォーク肉が食べられるお店が載っています。
フェリーターミナルから近いキャンプ場
無料のキャンプ場もあります。
他にキャンパーがいても一組か多くても二組。
炊事施設やトイレ完備で絶景オーシャンビューが楽しめる、北海道の中でも穴場中の穴場の最高ランクのキャンプ場だと思います。
島には日用品を売っているお店が二軒しかなく、お土産を売っているお店もないため、食料を持参する必要があります。
が……島を歩いているとなんだかんだ海産物をいただけたりします。
忘れもしない初めて焼尻に遊びに行った年の話…
『ウニは現地で調達!』と意気込んでレトルトのご飯しか持っていかなかったら私たち…
島は8月下旬ですでに観光シーズン終了状態。土産物屋も閉店していました。
仕方なく水揚げしている漁師さんに直接交渉してウニを譲っていただくことに…
すると1000円で山ほどの殻付きウニを譲っていただけました。
浜値でもウニは3000円/7個くらいなのでとても破格なのですが、その豪快さに感謝の念しかありません。
さらにその日は、漁港で釣りをしていた時に別の漁師さんからカレイまでいただき、ご飯はほとんど食べずひたすら刺し身を食べていた思い出があります。
あまりに気持ちの良いキャンプ場なので、360度写真も載せますね。ドラッグとかで写真を動かせます。
焼尻島のお宿
本来なら…紹介料が入るネット予約できる宿をおすすめするのですが…
電話でしか予約できない小田民宿をおすすめします。
一泊二食付きで大人6,000円。小学生は4,200円、未就学児は無料。
値段が値段なので、ウニづくしとは行きませんが、料理上手のおばあちゃんが作る島で採れた海鮮づくしの夕食はサイコーに美味しかったです。
北海シマエビ、ホッケのフライ、ソイの煮物、ヤリイカの刺し身…どれも島の味です。
島旅の魅力について考える
~ノンビリ過ごすことによって生まれる島への溶け込み~
焼尻島のキャンプめしのところでも書きましたが、島旅をしていると食べ物をいただくことがよくあります。
考えてみると、焼尻や天売には物々交換の文化が残っているのではと思っています。
住民向け商店が天売島には3つくらい、焼尻島には2つしかない島なので、おそらく住民の方も海産物や庭の畑で採れた野菜を交換し合いながら生活していると思うのですよね。
旅館に泊まり、タクシーで移動する旅行では交わることもないのでしょうが、テントを張って自転車でノンビリ過ごしたりなんかしていると、目線が住民の方と合ってきて、心地よく交流させていただいていると感じるのですよね。
今までも、大量のウニやカレイに加えて、カニ釣り用のタコの切り身や、絶品ふのりなどいろいろ頂いて来ました。
できるお礼は島でたくさんお金を使うことなのでしょうが、使うところがないことが悩みのタネです(^ ^;)
こういう否応なしに人情あふれる方々と交流できるのが、島旅の一番の魅力なんじゃないかと思い、毎年島を巡っています。
島に遊びに行くなら、日帰りではなく泊まりで、かつ片方の島だけ行ってノンビリすることを強くおすすめします!
オロロンライン沿いにある産直の海鮮が買えるお店
ウニ、ホタテ、甘海老、水タコ…とよだれが出そうな名物がたくさんあるオロロンライン。
それぞれオススメの直売所があるので、紹介します。
甘海老を買うなら 北るもい漁業協同組合 産直工房きたる(フェリーターミナルそば)
天売島、焼尻島はウニが有名ですが、対岸の羽幌町は甘えびが有名です。
新鮮な甘えびは殻ごと食べられるのですが、旨味が凝縮していて本当に美味しいです。
町内のレストランで食べられますが、フェリーターミナルそばの直売所で買うことができます。
甘えびが500g単位で買える漁協直売所。
羽幌の甘えびを一度食べたらスーパーで売っている冷凍甘えびは食べられなくなるので注意してください!
ここで買って、お家でたらふく甘えび丼を食べるのが寅家のお気に入り。
ここで買うのはえびだけにしてください!
他のものは↓の臼谷漁港で買ったほうがお得です。
ホタテ、水タコ、ウニを買うなら 留萌市臼谷漁港の直売所 (車で40分)
留萌市をぬけて小平町へ北上する国道239号線沿い、小平町に入る手前の留萌市の北の端、国道から一本海寄りに入ったところに、漁師直営の店が10店舗くらい続くエリアがあります。
北海道内に直売所は数多くあれど、漁師さんがそのままやっている店は臼谷漁港くらいではないでしょうか。
ホタテが新鮮で美味しいのはもちろん、茹でた水タコも絶品です。
水タコは店によって塩加減が違うので、何回か通ってお気に入りを見つけると楽しいです。
道内のホタテ相場が100円/中1枚のところを、1,000円/大13枚とお得な上に、さらにおまけを何枚もくれます。
さらに7月と8月には生ウニも出回るので、島産と同じクオリティのウニをゲットすることができます。
正午くらいには閉める店が多いので要注意です。
食事/お土産なら 北のにしん屋さん (車で5分)
羽幌名物甘エビやウニが格安で楽しめる北のにしん屋さん
豪華な丼ぶりもいいですが、煮魚が1匹ついてくる、ワンコイン定食(500円)がお気に入りです
遠くて来れない!という方には、羽幌町へのふるさと納税でお得にゲットする裏技もありますよ~